恵那棚田ビオトーププロジェクトについて
(1)はじめに
このプロジェクトは(財)イオン環境財団の助成を受けながら坂折棚田(岐阜県恵那市中野方町)において、特定非営利活動法人 棚田ネットワークや恵那市坂折棚田保存会、岐阜県立国際園芸アカデミーの協働により2007(平成19)年4月からビオトープづくりが開始された。本報告書は第3期の2009(平成21)年4月から2010(平成21)年3月までの活動報告のために編集されたものである。
(2)活動地の概要
本報告の対象地がある岐阜県恵那市中野方町坂折棚田は、岐阜県の南東、恵那市の北西に位置する。標高400~600m、面積14.2ha、南東斜面に約360枚の石積みの棚田は、約400年の歴史を持つといわれ、農林水産省の「日本の棚田百選」(岐阜県内に5ヶ所)に認定されいる。棚田ビオトープは現在2ヶ所ある(図-2)。ひとつは2007年4月から施工管理を開始した「渓流近くの棚田ビオトープ」(標高470m、坂折川沿い)で、もうひとつは2008年4月から施工管理を開始した「森林近くの棚田ビオトープ」(標高550m、森林際)であり、2009年4月から徐々に拡張の施工管理をおこなった。
活動実施状況一覧
2010(平成22)年
1. 1月11日(坂折棚田)
森林近くの棚田ビオトープ整備、石垣の草取り
2. 3月20~21日(坂折棚田)
「第3回かえるの卵を探そう!」イベント実施
【20日】14:00 ~ 15:30講義「カエルが支える棚田の生態系」(坂折棚田屋敷「なごみの家」)、15:30 ~ 16:30棚田ビオトープ見学、16:30 ~ 17:00移動、18:00 ~ 20:00交流会(恵那峡グランドホテル)
【21 日】9:00出発(恵那峡グランドホテル)、9:00 ~ 9:30移動、9:30 ~ 11:30ヤマアカガエルの卵塊調査(坂折棚田)、11:30解散
2009(平成21)年
1. 5月22日(坂折棚田)
森林近くの棚田ビオトープで田植え(ミネアサヒ)、植物・生物観察(ジュレーゲルアオガエルの成体、卵塊)、渓流近くの棚田ビオトープで草刈・石垣の草取り
2. 6月6日(坂折棚田)
渓流近くの棚田(上)で草取り、田植え(ミネアサヒ)(中段はカンニホのこぼれ種を利用)
3. 8月29~30日(坂折棚田)
日本陸水学会東海支部サマースクールに協力。
【29日】渓流近くの棚田ビオトープ、森林近くの棚田ビオトープを見学
【30日】渓流近くの棚田ビオトープで草取り・観察会(トノサマガエル、ツチガエル、ニホンイモリの幼体など)
4. 9月30日(坂折棚田)
稲刈りの予定であったが雨天のため、渓流近くの棚田ビオトープで草取り(ニホンイモリ成体など)、森林近くの棚田ビオトープを見学
5. 10月3日(坂折棚田)
渓流近くの棚田ビオトープ(上・中段)で稲刈り、看板リニューアル
6. 10月24日(坂折棚田)
棚田オーナー制度収穫祭にて棚田ビオトープ説明会
7. 11月29日(坂折棚田)
現地、調査棚田石積み塾にて棚田ビオトープ説明