注:現在このプロジェクトは休止しています
~トキを育む棚田ビオトープの手入れ~
佐渡のトキ放鳥を契機に、休耕田を利用した棚田ビオトープをつくり、そして管理・手入れを10年以上続けているプロジェクトです。
ビオトープの場所は佐渡島の前浜地区である月布施棚田。佐渡島で日本古来の野生のトキが最後に飛翔したとされる美しい月布施棚田も耕作者の高齢化に伴い、30数年前から耕作放棄が増え始めていました。環境省のスタッフとして現地でトキ保護に熱心にとりくんでいた会員さんの橋渡しもあり、この地が選ばれました。
毎年7月の海の日を利用して主に首都圏から、この地に応援に駆けつけています。東京から佐渡に移住し10数年に亘りこれらのボランティア活動を現地で支えてきたスタッフも家庭の事情で東京に戻ったことや、参加者に占める若者が費用の関係で少ないことなどボランティア活動の継続性の再検討など課題も抱えています。
~世界農業遺産・佐渡岩首地区の棚田~
この地区は、海を見下ろす山の東斜面に拓かれた美しい土坡の棚田で、最上部は標高400mほど、佐渡で屈指の景観を誇る棚田です。観光客もたくさん訪れています。ここは月布施地区と違って廃校を利用した簡易宿泊所「岩首談義所」があり、活動のベースキャンプになっています。赤泊の湯も近いうえ低料金で泊まれことで佐渡前浜地区のボランティア活動は主にここを拠点にしています。
佐渡島は2011年に世界農業遺産に選定されました。この棚田はその中心的な位置づけとなっており農道、案内板、展望小屋、駐車場なども整備され多くの棚田ファン、トキファンに人気の地となっています。ボランティア活動としては棚田作業の応援、里山の手入れ、竹林の整備、ビオトープ管理、農道や水路の手入れなど多岐受にわたり受け入れている。棚田の景観は素晴らしく展望小屋「そらまめ」からはたなだの全貌と晴れていれば対岸の新潟の山々が望める。
~佐渡における地域交流~
毎年、ビオトープの手入れは月布施地区の農家さんの手ほどきを受けながら実施しています。この月布施の農家さんや岩首地区の住民、支援者、そして棚田ネットワークの参加者による都市住民との交流会が毎回開いています。年を重ねるごとに顔見知りになり近年は郷土料理を酒の肴に親交を深めています。この写真は「全国棚田サミット」開催準備に向けての若者中心による意見交換会の様子です。佐渡の魅力をどう伝えるか、全国からの参加者をどう案内するか、様々な企画案が出され活気にあふれた交流会となりました。