棚田映画の最高峰かもしれません!
10/6日よりポレポレ東中野で公開されているドキュメンタリー映画「あまねき旋律(しらべ)」の舞台は、インド東北の山岳部に広がる圧倒的棚田地帯にあるナガランド州の小さなムレ(村)。
傾斜1/3にも及びそうな急斜な棚田で、ムレの人々が淡々と助け合いながら農作業を営む一年を映し出しているだけなんですが、その全編に響き渡る農民たちの歌声があまりにも美しすぎるのです。
彼らが労働中に歌う民謡「リ」は、低音と高音、そして倍音で構成された見事な芸術的ポリフォニー。アフリカやアジアの土着的な雰囲気がありながら、東ヨーロッパやグレゴリオ聖歌などの洗練された雰囲気もあり、ボーダーレスで神秘的な旋律が美しい棚田に響くのです。
そして何よりすごいのは、100%人力で行う棚田の作業!特に田起こしと代搔き、畦塗りを3人位の男性が一気に行うのを10分位の固定カメラで撮りっぱなしカットがあるのですが、はっきり言って目が釘付けになります(笑)
また女性たちの超高速田植え、そして圧巻なのは、みんなで輪になって回りながら足でけって行う脱穀!
しかし、そんな衝撃的100%人力作業も、ムレのみんなが歌うことでリズムをとり、一人の力の数倍を引き出す共同作業があって初めて可能にしているわけです。
ナガランドの人々は、インドとの軍事対立という悲劇的な歴史もありながら、老いも若きも棚田に根付いた昔ながらの生活を楽しんでいます。
言い古された言葉だけど、「本当の豊かさって何?」と考えさせられる素晴らしい映画でした。
すべての棚田人にお勧めです!
「あまねき旋律(しらべ)」
http://amaneki-shirabe.com/