かみかつ棚田未来づくりプロジェクト・レポート【棚田編】

かみかつ棚田未来づくりプロジェクト・レポートの【会議編】に引き続き、【棚田編】をお送りします。

上勝町には、「日本の棚田百選」に認定されている「樫原の棚田」を筆頭に「八重地」「市宇」「田野々」の4つの個性豊かな棚田があります。他にも「野尻」や「府殿」など町内のあちこちに棚田がある地域で、今から200年程前の江戸時代後期に描かれた絵図とほぼ変わらない状態が今も残り、「樫原」は「国の重要文化的景観」にも認定されています。

上勝町の棚田の魅力は、それらの棚田が、それぞれ車で10分圏内にあって、一日でタイプの違う個性的な棚田を楽しみることです。「かみかつ棚田未来づくりプロジェクト」では、4つの棚田をつないでいた旧道である往還道の復元プロジェクトが計画されています。

圧巻の景観「樫原の棚田」

まずは、上勝町でも最も有名で「日本の棚田百選」にも選ばれている「樫原の棚田」。

まぁ、さすがの圧巻の景観!

奥の山に飛び出した能舞台のようになっている独特の景観は良く知られていますが、ここは樫原の棚田でも一番下段の棚田で、もっと上に行くとオーナー制などが行われる中段、そしてとても急こう配の上段の棚田へとつながっています。

中段、上段は、下段に比べて耕作放棄地も多く、樫原の棚田の現実は、ここまで来ないと分かりません。

旧暦ではちょうど「雨水」の頃、春を告げる雨が降りしきった後に、水蒸気が緑の山を淡く漂い、まさに水墨画のような幻想的な空間でした。

中段には、棚田を見守るような社があり、本来もっと山の上にあったのを、高齢化で行くのが億劫なので、ここに持ってきたと、樫原棚田村の松下さんが話してくれました。

ひっそりと佇む「八重地の棚田」

上勝の一番奥にひっそりと人を寄せ付けない雰囲気で佇む「八重地」。頑固な石積みと茅葺屋根の重厚さと、円形を描く柔らかな曲線という二面性が混在する棚田です。2002年に全国でも珍しい棚田景観を重視した「曲線型圃場整備」を行った棚田として知られています。

ほのぼのとした「市宇の棚田」

「市宇」の棚田は、八重地の手前にあり、ほのぼのとした雰囲気で、なぜだか南国風の木がワンポイントになっていいます。「天上の泉」「ふる里の泉」といわれる良質な湧き水が流れており、とても柔らかくおいしい水でした!立派な交流棟もあって、ライトアップイベントの実績もあるそうです。

人里に開けた「田野々の棚田」

「田野々」は、閉ざされた棚田という訳ではなく、4つの棚田の中で一番標高も低く、人里に開けた棚田。規模も大きく、全景を見るには山の上から見るのが一番で、上勝アート作品「もくもくもく」から見るのが絶景です。また地域で「阿波晩茶」の生産が盛んで、夏期になるとお茶を蒸す香りが棚田に広がり、「かおり風景百選」にも認定されています。

これら4つの棚田の往還道が整備されたら、トレッキングやマウンテンバイクなどで棚田を行き来できたら、さぞ楽しいでしょう!プロジェクトの進行に期待致しましょう。

<「食事編」に続く>


■取材・写真・文:高桑智雄(NPO法人棚田ネットワーク事務局長)
■協力:かみかつ棚田未来づくり協議会 http://tanadamirai-01.postach.io/