かみかつ棚田未来づくりプロジェクト・レポート【会議編】

上勝町は、徳島駅から車で南西に1時間ほど行った人口1500人の小さな山間の町。

町のゴミのゼロをめざず「ゼロ・ウェイスト宣言」や葉っぱビジネスの「いろどり」と、全国に名をとどろかす先進的な運動で有名ですが、棚田百選にも認定されている「樫原の棚田」を筆頭に、八重地、市宇、田野々など個性豊かな棚田が集まる地域でもあります。

今回、その4つの棚田の連絡協議会が中心になって進める「かみかつ棚田未来づくりプロジェクト」の会議に当団体事務局長がゲストに招かれ、活動紹介とプロジェクトとの連携提案をしてきました。

かみかつ棚田未来づくりプロジェクトとは

「かみかつ棚田未来づくりプロジェクト」は、上勝町の棚田・里山資源を保全活用して、地域の生きる力を強化、持続的な集落居住の実現を目指し、農水省から助成を受けて2017年から5か年で8つのプロジェクト計画で構成される事業です。

その8つのプロジェクトとはこちらです。

O. 全体理念・基本計画策定
A 「食」でつなぐ「山の駅ネットワーク」プロジェクト
B. 森林復元スギの家くるくるプロジェクト
C. 3000本LEDライトアッププロジェクト
D. 文化遺産の棚田往還道復元・整備プロジェクト
E. 活動促進のための人材育成プロジェクト
F. 若者ボランティア連携プロジェクト
G. 方向情報発信プロジェクト

詳細は「かみかつ棚田未来づくり協議会」HPへ
http://tanadamirai-01.postach.io/

今回は、この「かみかつ棚田未来づくりプロジェクト」の2017年度の活動報告会議に、棚田ネットワーク事務局長が、全国組織としてこのプロジェクトとどのような連携の可能性があるかを提案するために、ゲストスピーカーとして参加しました。

会議の模様

会議の会場となったのは、上勝町の第三セクターで運営される月ヶ谷温泉「月の宿」。弘法大師が修行中に現れた薬師如来によって告げられた霊水との由来がある温泉宿であり地域の交流センターも兼ねる施設です。

【月ヶ谷温泉「月の宿」HP  http://www.e-kamikatsu.jp/

まずはじめに、8つのプロジェクトの一つ「森林復元スギの家くるくるプロジェクト」の活動報告がありました。山間地に位置する上勝町はスギの人工林問題にも積極的に取り組んでいます。町のシンボルである高丸山の自然ブナ林をお手本に、人工林の伐採跡地に平成16年から植樹をスタートさせ自然林の復活活動として「千年の森プロジェクト」が行われています。

【高丸山 千年の森 | 運営:かみかつ里山倶楽部 http://www.1000nen.biz-awa.jp/

また、ほとんどの山が人工林として伐採時期を向かえているため、採算が合わず放置されているスギの有効活用も差し迫った問題で、「森林復元スギの家くるくるプロジェクト」では、スギの家を作って集落居住を推進が進められているそうです。

その他のプロジェクトの進捗状況の報告の後、認定NPO法人棚田ネットワーク事務局長、高桑智雄から活動報告とこのプロジェクトとの連携の可能性についてお話をさせていただきました。

まずは樫原、市宇、田野々、八重地の4つの棚田を見学させていただいて、それぞれ個性の違う棚田がいい距離感で位置しているのは、とても魅力的で各棚田の旧道を整備してつなげる「文化遺産の棚田往還道復元・整備プロジェクト」には可能性を感じる。4つの棚田の違いを味わうコンセプトでのブランディングが有効ではないかと提案させていただきました。

最後は、参加者全員で、「儲ける」「連携する」「安全」をテーマにディスカッションをしました。やはりどうやって棚田にお金を落としてもらうかの議論が活発で、棚田米のブランド化などの意見がたくさんでていました。

このプロジェクトは、年度末で1年目を終えて、これから本格的に様々なプロジェクトが動き出します。まずは棚田百選に認定される「樫原の棚田」での「3000本LEDライトアッププロジェクト」が、今年の秋の収穫後に予定されています。

会議終了後は、参加者による交流会が催され、地域の方々の棚田への熱い思いが伝わって来ました。棚田ネットワークも連携しながら協力体制を作って行く予定です。

<【棚田編】に続く>


■取材・写真・文:高桑智雄(NPO法人棚田ネットワーク事務局長)
■協力:かみかつ棚田未来づくり協議会 http://tanadamirai-01.postach.io/